震の跡地に帰った私たちが最初にほしかったのが「物」でした。その物も全国から集まり始めました。次に「力」がほしかったのです。多くのボランティアが来てくださって、家から荷物を取り出したり、瓦礫を運んで下さいました。それと同時に「技術」が必要でした。大工さん、電気屋さん、自転車のパンクを修理する技術が必要でした。一番大切なお医者さんの技術も必要でした。 街が復興するにはこの物、力、技術があれば一応そろうのです。でも「まちづくり」となると果たしてこれだけでできるのでしょうか？この街は痛みを抱え傷ついている街です。ここに住み、ここで暮らす人々はあまりにも寂しい人々が多すぎるのです。家や財産をなくし、そして職もなくし、さらに大切な何ものにも代え難い家族を失っている人々、その人たちはいま絶望の真っ只中にいるのです。絶望と戦うには武器がいるのです。その武器が「希望」「夢」です。

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